こんにちは。
化学メーカーで研究開発・DXを担当する自称「化学メーカーの大谷翔平」です。
今回は下記ツイートを深堀りして、メーカーでの「DX推進」について記事を書いてみます。
私自身メーカーでDXを推進して3年の経験があるので、その経験を基に記事を書きます。
下記ツイートは、Xをやり始めて間もない頃で、フォロワーが100人もいなかったので、
個人的にはバズったツイートだったかなと思います。
また、それだけ皆の関心のあるテーマだと感じたので今回記事にしてみました。
最近、所謂DX推進室みたいな「DXに特化した専門部署」を設置しているメーカーが増えてきた気がする。
専門部署を作ることで、DXを推進する人を孤立しないようにしたり、所謂中間管理職ブロックみたいなものを無くしたり、個人的には良い試みだと思う。…
— nomuotorinko (@nomu_chem) November 1, 2023
早速このツイートを深掘りしていきます。
DXが進まない原因
DXが進まない要因は、大きく分けてこの2つだと思います。
- 会社組織の問題
- 個人の問題
両方を解決しないとDXは推進しませんが、今回の記事では「会社組織」に焦点を当てます。
その中で、「DX推進室」というDXに特化した専門部署を作る企業が増えてきたので、
今回の記事では特に「DX推進室」に焦点を当てます。
DX推進室のメリット
メリットは下記2点かなと思います。
- DXを推進する人を孤立させない
- 中間管理職ブロックを防ぐ
一つ一つ解説していきます。
DXを推進する人を孤立させない
DXを推進できる人は現時点でもかなり少数だと思います。
チームに1人いるか、いないかくらいの人数だと思います。
私も経験していますが、現場(営業や研究、製造等)では、皆DXとは無関係な仕事をしています。
例えば、急な製造トラブル対応やお客さん対応など。
そんな中でDXを推進していると、「あいつはコンピュータで遊んでいる」みたいなイメージを持たれます。孤立します。
また、そのような環境ではDXについて相談できる人がいません。
一方、DX推進室を作ることで、チームとして仕事ができるので孤立しません。
DXは色々な人と相談しながら進めていくものなので、DX人材を「孤立」させないことは非常に重要だと思います。
中間管理職ブロックを防げる
本業の傍ら、DXに纏わる仕事をしている人は多いと思います。
本業にDXを活用しようというという取り組みです。
この取り組みは個人的には良い取り組みだと思っていますが、
本業が疎かになってるのではないか?と中間管理職ブロックが入ります。
中間管理職はチームを率いて、成果(利益貢献)が得られることが目的ですので、
すぐにお金につながらないDXを率先してやろうとはなりません。
また中間管理職は「DXって何?」くらいの理解度だと思います。
どれだけプレゼンしたとしても、残念ながらDXをやろうとはなりません。
皆理解できないものをやろうとはならないはずです。
DX推進室を作ることで、「DXを推進することがミッション」になるので、
中間管理職ブロックを防ぎ、DXを推進しやすくできると思います。
DX推進室に所属する人の注意点
ここからはDX推進室の注意点をお話しできればと思います。
メーカーでは現場の課題を解決することで、利益貢献ができる
DXはあくまで「プロセス」なので、それ自体はお金(会社の利益)を生み出しません。
お金を生み出す部署(営業、研究、製造)の何かしらのプロセスを良い方向に変えて、初めて会社に貢献できます。
DX推進室という別組織を作ることで、現場と距離ができてしまいます。
例えば、DXを進める上で現状の課題確認をするために、
現場の人をいきなり打ち合わせに呼んで、質問攻めにするのはNG。
また現状のDX推進室みたいな組織って必ずといっていいほど、「数字に強い自称マーケティングの専門家みたいな人」がいて、売り上げ計画などの返答に困る質問してきますが、そんなのは論外です。そっこーでブロックされます。。
DXに纏わるスキルがあるだけではダメ
現場の課題を解決するためには、DX推進者には「コミュニケーション能力」や「DXをわかりやすく伝える技術」が求められる。
なぜなら、現場の人にもDXについて理解してもらった上でじゃないと、プロジェクトは進められないから。
pythonや統計学を学んだ「だけ」ではメーカーでDXを達成することができません。
そこで働く人は幅広い知識・スキルが求められます。
DX推進室を活用して、DXを推進するには
他部署との協力体制の構築が何より重要
雑談できるくらいの仲
普段から雑談したりして、他部署の人がどういう人か知っておくことは大事です。
趣味やどういう考え方をするのか知っておけば、協力体制が得られやすいです。
新しく組織を作ったのであれば、初めは仕事の20%くらい他部署の人と雑談し回るくらいでも良いと思います。
全く知らない人間に協力しますか?という話です。
100ギブ1テイクの精神
質問しまくるのではなく、提案できることが重要。
提案すれば、「こんなんどうかな?」みたいに、より良い提案が得られるかもしれません。
DX推進者は何より「ギバー」でないといけないと思います。
100ギブ1テイクの精神です。0テイクでも問題ないくらいの精神が大事です。
そういうマインドでDXを推進していると、いつかDXに「前のめりで」協力してくれるようになるはずです。
他部署に顔が効く人がいればなおよし
他部署に顔が効く人がいれば、お願いも通りやすくなります。
普段から会社の人間関係に目を光らせて、他部署に顔が効く人を仲間に引き入れる努力をすべきです。
率先してDXに取り組み事例を作る
最後に何より重要なのが「事例」だと思います。
とにかく取り組んで、事例を作ることが大事。
事例がなければ、議論すらできません。
DXは「進撃の巨人」の調査兵団の壁の外の壁外調査と同じです。
誰も足を踏み入れたことのない「壁の外の世界」を勇気を持って調査するのと同じです。
何も行動しなければ「壁の外の世界」は永遠にわかりません。
何か一つでもまずは「行動」して事例を作るべきだと思います。
事例を作れば、自ずと協力者は現れてくるはずです。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
皆さんのDXが推進することを祈っていますし、行動すれば必ず推進すると思いますので、
諦めずに頑張っていきましょう!!